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本コラムでは、クランクシャフトの用途や加工における4つのポイントから実際の加工事例について、ご紹介いたします。
＜目次＞
クランクシャフトとは？
クランクシャフトとは、機械装置の1つで、上下運動を回転運動に変換する装置のことです。
クランクシャフトは、車・船舶・建機等のエンジンを構成する部品で、エンジンで発生させたパワーを出力する軸のため、とても重要な役割を持っております。
クランクシャフトとその用途
クランクシャフトはピストン上部で発生した爆発エネルギーを受けながら、何千回転と高速で回転いたします。円滑に回転する必要があるため、強度や剛性、耐摩耗性に優れた材質が用いられます。
これらの条件を満たすために、クランクシャフトには鉄と炭素の合金である炭素鋼、高温でも耐久性があるクロムモリブデン鋼などの特殊鋼、耐熱性や耐食性などを向上させた特殊鋳鉄などが用いられております。
さらに、クランクピンとクランクジャーナルは、耐摩耗性を向上させるために高周波焼入れなどの表面硬化処理加工が施されております。
クランクシャフトの加工における4つのポイント
クランクシャフトの加工における改善ポイントをを4つご紹介いたします。
ポイント①：加工不良率の改善
公差緩和により、加工不良品率を改善することに成功しました。
人件費・設備費をはじめ材料費や工具費等が代表的なコスト要因ですが、不良品の廃却やその選別作業などの生産ロスも決して無視できません。
ポイント②：形状変更によるコストダウン
粗材部位の肉抜きによる加工取り代の低減も製造リードタイムの短縮に大きな影響をもたらしました。
さらに加工取り代が減少したため、材料費だけでなく加工費の低減にもつながりました。
ポイント③：寸法変更によるコストダウン
粗材の寸法・形状の変更によりチップのノーズRを大きく出来たことで、切削工具コストの低減を実現しました。切削工具の寿命が長くなるめ切削工具費が大幅に下がり、年に換算するとおよそ数万円のコストダウン効果をもたらすことができました。
ポイント④：工具寿命の延長による不良品率改善
製品のR寸法を加工に適した寸法にすることで、1つの切削工具でR部を含めた全体を加工することが可能となり、工具の種類を減らせることに加え、コーナーRに適切な切削工具に変えることで工具寿命が長くなり、切削工具費を低減することができました。
当社のクランクシャフトの加工事例
当社が過去に製造したクランクシャフトをご紹介いたします。
加工事例①：エンジン用クランクシャフト（機械構造用合金鋼）
こちらは、農機用のクランクシャフトになります。
サイズはL96×φ20×φ14×φ12で、つば部の径はφ64です。材質は機械構造用合金鋼になります。本製品は、カム機構を備えているため、カム部の切削及び、仕上げ加工が必要な点がポイントです。軸部にネジ転造を施した後、熱処理専門の協力会社様により浸炭熱処理及びネジ部の高周波焼き入れを行うことで、クランクシャフトの硬度を確保しています。最後に仕上げとして、軸部・カム部・ピン穴の研磨を行います。
加工事例②：エンジン用クランクシャフト（機械構造用炭素鋼）
こちらは、農機用エンジンのクランクシャフトになります。
サイズはL38×φ12で、つば部の径はφ47になります。材質は機械構造用炭素鋼のS43Cです。本製品は、月産数量数万個の量産部品であるため、大量生産に適した切削仕上げ工法により製造しております。熱処理（調質処理）を施した部材に外径旋削・ネジ切削を施しました。
加工事例③：エンジン用クランクシャフト（クロムモリブデン鋼）
こちらは、農機用エンジンのクランクシャフトになります。
サイズはL65×φ12×φ10で、つば部の径はφ47になります。本製品は、旋盤で外径の粗加工およびネジ切りを行い、熱処理専門の協力会社様に依頼して浸炭熱処理及びネジ部への高周波焼き入れを施しています。
クランクシャフトの量産なら、当社にお任せください
「量産シャフト加工VA・VEセンター」を運営する株式会社東陽製作所は、鍛造以降の荒加工から転造・旋削・研削に至るまでの一貫量産加工を得意としております。当社は、NC旋盤やマシニングセンタはもちろん、転造盤（一部自社製作）やホブ盤など歯切り加工を行う工作機械を多数保有しております。また、熱処理工程の高周波焼き入れ・焼き戻しを自動化しているため、お客様のご要望に合わせて低コスト・短納期でのご対応が可能です。
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