1.偏心シャフトとは?その特徴を解説

偏心シャフトは、シャフト部分が複数か所あり、その中心軸が一致しないシャフトを指します。偏心シャフトは複数の中心軸を持つことでピストン往復運動を回転運動に変換する役割を持っており、動力機構の中でも重要な構成部品として使われることが多く、偏心公差要求の厳しさが特徴として挙げられます。これまで当社がお納めしてきた偏心シャフトの用途としてはエンジン・ポンプなどの構成部品として採用されています。下記が当社が手掛けた偏心シャフトの一例です。

写真の製品はフランジ部を境に軸の位置が非対称であり(長さも異なっている)、動力の方向性・量を変動させるために用いられています。

2.偏心シャフトの加工方法

シャフトの加工を行う場合、モーターシャフトのコラム>でもご紹介をしましたが、メインとなる軸部の加工は旋盤で行います。しかし、旋盤加工は回転体に刃物を当てて切削加工を行うため、回転軸に対して対称な形状ができます。

つまり、偏心シャフトの加工を行うとなると、旋盤加工機に対して少し工夫が必要です。具体的には、旋盤に専用治具を取り付け、加工を行います。この加工法は偏心加工と呼ばれ、部品の形状やシャフトの回転軸中心からの偏心の量に応じて、専用治具を製造する必要があります。

※偏心加工の治具には、ある程度の汎用性を持たせることもできますが、ロットの大きな製品の場合には専用治具を製造することで精度が安定します。

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3.偏心シャフトの加工におけるポイント

偏心シャフトの加工において注意すべきポイントをお伝え致します。

  1. 正確な寸法および形状の管理:偏心シャフトは2つの軸のズレに対して寸法精度・公差要求が厳しく管理されます。加工を行う際に用いる専用治具で形状・精度はある程度管理ができますが、100分の1mmレベルの公差が求められる場合には、十分な精度管理が必要です。
  2. センター位置精度の確保:通常のシャフト加工においても重要ですが、偏心シャフトの加工においてはセンター位置出しの正確さが重要となります。というのも、偏心シャフトは中心軸と偏心軸の軸間距離に細かな寸法公差指定があるために、センター位置出しが安定しなければ寸法公差を満足することが難しくなります。つまり、偏心シャフトにおいては、センター位置精度の確保がより重要と言えます。
  3. 加工方法の適切な選択:偏心シャフトの加工には、旋盤やフライス盤などの適切な加工方法を選択することが重要です。加工方法によって軸間距離の精度に影響が出るため、要求精度に合った適切な加工方法を選ぶことが必要です。

4.当社が手掛ける偏心シャフトの加工スペック
(材質・加工の種類・精度)

対応可能な偏心シャフト

  • サイズ:Φ=10mm ~ 100mm、L寸=100mm ~ 300mm
  • 材質:炭素鋼(S43C,S45C等)、クロムモリブデン鋼(SCM等)、ステンレス、他材質にも対応可
  • 加工精度:切削加工 0.01mm~、研削加工 0.008mm~

対応加工な加工内容

  • 旋盤・マシニング・研削
  • 高周波焼入・歯切・スプライン転造・ねじ転造・セレーション転造等