1.セレーションシャフトとは?その特徴を解説

セレーションシャフトとは、シャフトの表面にノコギリ歯状の溝を加工したものを指します。溝部を持つ目的としては、それにかみ合うように加工された穴のついたパーツに挿入して、シャフトが回転した際にかみ合いでトルクを伝達させることにあります。そして、その多数の歯のかみ合いにより、キーや圧入よりも大きなトルク伝達が可能という特性があります。

セレーションシャフトは、様々な産業や製品で使用されており、当社の製品としては、自動車・農業機械などの用途で使用されています。

2.セレーションとスプラインの違い

セレーションと類似のものとしてスプラインというものがあります。これらの2つには、用途・形状という点で違いがあります。セレーション・スプラインをともに持つシャフトを例にご紹介いたします。

まず⽤途ですが、共通点としては、セレーション部もスプライン部もそれにかみ合うように加⼯された⽳の付いたパーツに挿⼊して、回転してトルクを伝達する点です。


違う点としては、セレーション部は挿⼊した後は相⼿パーツと⼀体となって回転するのに対して、スプライン部は、挿⼊後も相⼿パーツに対して軸⽅向に摺動可能で、使⽤時にシャフトと相⼿パーツがそれぞれ固定される個所の距離が変動しながら回転トルクを伝達する箇所に使われます。

例としては、⾃動⾞のトランスミッションから後輪に回転トルクを伝達するプロペラシャフトは、後輪のサスペンションの動きに伴い⻑さが変動するため、摺動可能なスプラインが使われています。

形状としては、⻭形形状が、セレーションは三角⼭形状やギヤの⻭と同じインボリュート形状があるのに対し、スプラインは角型形状やギヤの⻭と同じインボリュート形状があります。

また、⻭と⻭が接する角度である圧⼒角(通常はピッチ円周上で⻭の接線と半径線のなす角)にも違いがあり、セレーションでは45度前後の圧⼒角が採⽤されるのに対して、スプラインでは角型形状の場合はほぼ0度ですが、インボリュート形状の場合は⼀般的には20度から30度の圧⼒角が採⽤されます。
更に、スプラインの部分には、摺動による摩耗を防ぐために、熱処理により表⾯硬度を上げて使われるのが⼀般的です。

まとめると、セレーションは、軸⽅向の距離が⼀定の箇所のトルク伝達に使われるのに対して、スプラインは、軸⽅向の距離が変動しながら回転する箇所のトルク伝達に使われます。

3.セレーションの加工におけるポイント

セレーションシャフトの加工において注意すべきポイントをお伝え致します。

  1. セレーションパターン加工:セレーションは歯の溝の高さ・ピッチにより相手物との嵌めあいをよくする目的があるため、相手物との嵌めあい精度も考慮した加工が必要です。
  2. 切削工具の選定:セレーションシャフトの加工には、セレーションの溝を加工するための転造ダイス又はホブは、求められるセレーションの形状に合った専用工具を用います。溝の精度を担保するのが工具であるため、工具選定が重要です。
  3. 加工中の安定性と精度の確保:加工中にシャフトの安定性を確保し、精度を保つための固定装置や加工条件の適切な設定が重要です。緻密な加工作業を実現するために、安定性と精度を確保することが求められます。

4.当社が手掛けるセレーションシャフトの加工スペック
(材質・加工の種類・精度)

対応可能なセレーションシャフト

  • サイズ:Φ=10mm ~ 30mm(転造の場合)、L寸=100mm ~ 300mm
  • 材質:炭素鋼(S43C,S45C等)、クロムモリブデン鋼(SCM等)
  • 加工精度-スプライン/セレーション共通-
    O.P.D‥巾 0.03
    大経‥巾0.1
    小径‥巾0.1
    歯振れ‥0.04以下

対応加工な加工内容

  • 旋盤・マシニング・研削
  • 高周波焼入・歯切・スプライン転造・ねじ転造・セレーション転造等

5.セレーション加工事例

1.スタブシャフト(セレーション部歯切り)

スタブシャフトの用途と加工における4つのポイント|量産シャフト加工VA・VEセンター

こちらは、自動車のプロペラシャフト用構成部品であるスタブシャフトになります。

サイズはL214で、円盤部の最大外径がφ85、軸部の外径がφ27~62になります。本製品は、熱間鍛造を施した粗材をセンタリング後、旋盤による外径の荒加工、カップ部内径加工、スプライン転造加工を経て、溝入れ及び外径の仕上げ加工を行います。その後、熱処理・セレーション部の⻭切り加⼯を⾏って完成となります。
こちらの例のように、⼀⽅にセレーション、反対側にスプラインを持つシャフトは多く存
在します。

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